帰省は旅行か?

自宅のある東京を離れることを旅行とするならば、僕の旅行は出張や郷里の高松に帰省するものが多くなる。なかでも帰省は、お盆や正月に冠婚葬祭も加わり最大数となる。旅と言うにはあまりに自由度は低いが、それはそれで名物などを楽しまなければ損な気がする。

郷土の名物を「讃岐三白」とか「讃岐三傑」などと象徴的に表現する事は、どこの地方でもあることだと思っていたが、都会育ちの友人らによると特に四国や沖縄地方(しま豆腐等の表現)に多く見られる「島国根性の象徴だ」とする意見も多いようだ。

讃岐三白(さんぱく)とは、香川で採れる代表的な名産品の「塩」「砂糖」「綿」のことであり、「綿」のかわりに「小麦」や「米」という説もある。しかし、綿畑など見た事もないし、お米も魚沼産コシヒカリなどのブランド米とは対抗出来そうにもないので、讃岐うどんブームにあやかり「うどん」の原料から「小麦」としたい。

一方、香川に伝わる伝統料理の「うどん」「醤油豆」「フナのテッパイ」を讃岐三傑と呼ぶが、「鮒の撤廃?」など誰も知らないし、三白と違って韻も踏んでいないようなので「餡餅雑煮」辺りに変えるべきではないだろうか?

醤油豆(しょうゆ豆)は、酒のつまみに辛く硬い自家製を出す正統派の飲み屋もあるが、甘く軟らかい仕上げの大西食品株式会社製が我が家の子供達のお気に入り。

勝手に新讃岐三傑に選定した「餡餅雑煮(あん餅雑煮)」には、坂出市にある水尾醸造所の「讃岐白味噌」は必需品。この味噌は米こうじを使用した甘口の米みそで、みそ汁や雑煮を始め、和え物、サワラや魚の味噌漬などさまざまな郷土料理に使われる。正月用の雑煮のメインとなる「甘い餡入りの丸餅」は、ついてもらい底の浅い木の箱入りで届けられる事が多かったので製造元は不明だが、優劣を問わなければ県内のスーパーマーケットで簡単に入手できる。

最後に韻を踏んだところで讃岐三欠を考えてみた。瀬戸大橋を始めその他の橋や高速道路が整備された結果として、高松市が通過点となって拠点性を失い、昔から妙に都会だったので郷土色や風土と言ったものもとうに失い、これと言った産業も企業もないので働き口も失い・・・、残念なことではあるがこんな所が讃岐三欠(高松三欠)か?