放浪者の書 ハイナー・ベーンケ&ロルフ・ヨハンスマイアー編

中世ドイツの乞食や偽乞食(詐欺師)についてかかれた本『放浪者の書』を読む。乞食に施すことで救いを手に入れようとする人々と、それを見込んで様々なアプローチで物乞いをする偽乞食の話しが中心。真に困窮している人を見分けないと施しにならず天国に行けないのだろうか、偽乞食のあらゆる手口を細かく解説していた。真の乞食の発生原因や対策を棚上げにし、施しをするために哀れむべき真の乞食の存在は社会にとって必要な職業であるとの社会構造は、現代社会に置換えても通じるところが多く大変興味深い内容だった。

放浪者の書―博打うち、娼婦、ペテン師

放浪者の書―博打うち、娼婦、ペテン師